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技術紹介

磁気分離とは磁性をもっているものと、持ってないものを磁石で分離する技術です。超伝導磁石は超導電線を用い、少ない電力消費で大きな体積の強磁場空間を得ることができます。液体ヘリウム冷媒を用いずに4ケルビン(絶対温度4K, -269℃)程度まで冷却できる冷凍機がつくられ、また、10K 程度でも超伝導状態になる材料が開発されています。
磁場空間にある磁性粒子に働く磁気力 fmagは(1)式で示されます。

Fmag = (χp -χf )/(1 + Nχp ) (1+Nχf ) x vp /μ。x BgradB (1)

( μ。真空の透磁率、χp, χf はそれぞれ粒子と流体(水)の磁化率, vp,は粒子の体積、Bは磁場の強さ、gradB は磁場(気)勾配を表している。)
近似的には磁性粒子に働く磁気力は、粒子に働く磁化力(χp x B)、粒子の体積、磁気勾配(gradB)の積で表されます。従って、磁化率の大きな、しかも体積を大きくした粒子を強い磁場、さらに大きな磁場勾配が生じる環境を作ることによって、粒子は強い磁気力が受けることになり、磁気分離を効果的に可能にすることができます。
高勾配磁気分離では高磁場内(超伝導磁石)に例えば磁性細線(磁気フィルター)を設置してその近傍に高勾配磁場を発生させます。磁性細線の直径を小さくすれば磁気勾配が大きくなり、より大きな磁気力が発生することになります。
高勾配磁場を有する磁気フイルターで磁性粒子を捕捉する一連の仕組みを超伝導磁気分離高勾配フイルターシステムと呼んでいます。



磁性活性炭(MAC):一般有機物の吸着

磁性活性炭(湿式法、フェライト法)
活性炭上に化学的にフェライト粒子を析出させます。


磁性活性炭(メカノケミカル法)
活性炭と磁性粒子とを機械的に両者をすり合わせて接合させます。


磁性無機凝集剤

磁性無機凝集剤は天然由来の無機多孔質体に磁性成分を配合したもので、水中で磁性フロックを作り、溶解、懸濁物質を速やかに取り込みます。下の写真(パルプ蒸煮廃水)は廃液に磁性無機凝集剤を加えたもので、形成される磁性フロックは不純物を吸着して、容易に磁石に引き付けられます。磁性無機凝集剤は高分子凝集剤と違い、固体粉末のままで使用するので運搬、使用方法が簡単です。


磁性オキシ水酸化鉄担体

図-1. 微粒子状の磁性オキシ水酸化鉄担体

(平成21年度ものづくり中小企業製品開発等支援補助金)
磁性オキシ水酸化鉄は水溶液中の陰イオン(ヒ酸イオン、フッ素イオン、リン酸イオン、クロム酸イオンなど)を吸着する性質があります。図-1 は粉末状の磁性オキシ水酸化鉄担体が磁石に吸い寄せられている様子を示しています。


磁性キレート剤

キレート分子は重金属イオンを捕捉する性質があります。例えば、ポリエチレンイミン(PEI)のような高分子を無機多孔質体あるいは有機の高分子に固定化させることで、水系内の重金属イオンを捕捉して系外に除去することができます。さらに磁性粒子を担持しておくと、磁気分離が可能になり、重金属イオンを短時間で分離、除去することができます。

磁性キレート担体による金属イオンの捕捉(d)(イメージ図)


特許情報